福山で「梅毒」感染者が急増 3年前の10倍、目立つ男性患者


 性感染症の一つ「梅毒」の感染者が福山市で急増している。
2013年以降、増加がやまず、18年は42人と3年前の約10倍に
なった。男性の増加が目立っており、市は匿名の無料検査を始めるなど
注意を呼び掛けている。

 市内病院からの届け出を基に集計したデータによると、
近年の感染者数は15年まで0〜4人で推移していたが、
16年は10人に増加。17年は18年と同じ42人と一気に増えている。
市保健予防課は「梅毒は初期症状に気付かない人も多く、性交渉などで
知らない間に感染を拡大させてしまっている」と話す。

 18年の内訳は男性27人(前年6人増)、女性15人(同6人減)。
16年は男性2人、女性8人で、男性の増加傾向がうかがえる。年代別で
みると、18年は男性がほぼ全世代で感染しているのに対し、
女性は20代が最多の8人と、若年層に集中している。

 梅毒の感染経路の大半が性交渉。感染後約3週間で陰部や口などに
しこりができ、症状がいったん消えた後、3カ月以上たった後に全身に
発疹が出る。発疹も治療をしなくても消えるという。さらに進行すると
心臓や脳に重大な合併症を引き起こすことがある。

 市は昨年4月、HIV(エイズウイルス)とともに梅毒もチェック
できるよう血液検査の項目を追加。同課は「もしかしたらと思う人は
検査を利用してほしい」としている。

 検査は予約制で原則毎月第1、第4水曜と第3木曜に
福山すこやかセンター(三吉町南)で実施。
問い合わせは同課(電番略)。

 梅毒患者は全国的に増加しており、国立感染症研究所によると、昨年1年間の患者数は6923人(暫定値)と1970年以来の6千人超えとなった。


山陽新聞(2019年02月07日 20時15分 更新)
http://www.sanyonews.jp/article/865288