福井県高浜町の50〜70代の男性6人が集う「高浜アマチュア無線クラブ」。一番の魅力は「不特定多数の人と交信して生の声で話せるわくわく感」だと語る。趣味で楽しむ傍ら、地元のマラソン大会で無線救護のボランティアに努めており、社会貢献にも励んでいる。

 アマチュア無線は、携帯電話やインターネットが普及する以前からあるコミュニケーションツール。電波を利用するため、使い方が法律で定められているほか、国家資格の「無線従事者免許」の取得などが必要。

 1995年の阪神淡路大震災の際には、ほとんどの通信手段が途絶えた中でアマチュア無線が機能したことから、災害時の通信手段としても注目を集めた。

 同クラブは50年ほど前に発足。会長の岸野雅晴さん(56)=同町=が加入した93年には、約40人が所属していたという。アマチュア無線を始めたきっかけは、家族、仲間の影響や、ラジオ制作から興味を持ったなどさまざま。「どれだけ電波を飛ばせるか設備を考えて造る」など奥深さがある。

 活動は主に週1回の「ロールコール」。それぞれの自宅で無線を使ってメンバーと近況報告などを行う。名前で呼び合うことなく、各人が持つコールサインを用いて呼び掛けるのも特徴だ。

 仲間との交信だけでなく「不特定多数の人と会話するのは楽しい」と岸野さん。交信で意気投合し、実際に会うケースもあるという。

 高浜町で毎秋行われる「若狭高浜はまなすマラソン大会」での無線救護ボランティアでは、コース状況などを随時本部に伝え、円滑な運営やランナーの安全管理に貢献している。

 岸野さんは「あくまで趣味として続けているが、役に立てるなら何より。これからも続けていきたい」と話していた。

2019年2月8日 午後5時00分
福井新聞
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/793295
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