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タイ 首相候補に王女を申請 軍主導の政治体制維持は困難か
2019年2月8日 18時23分海外の選挙

5年前のクーデター以降、軍主導の暫定政権が続くタイで、国外逃亡中のタクシン元首相派の政党が、来月の総選挙に向けて、国王の姉にあたる王女を首相候補として申請しました。今回の選挙では、軍が設立した政党が推すプラユット暫定首相の続投が濃厚とみられていましたが、構図は一変し、軍主導の政治体制の維持は難しくなったという見方も出ています。

タクシン元首相派の政党「タイ国家維持党」は、来月24日の総選挙に向けて8日、選挙管理委員会に首相候補として、プミポン前国王の長女で、ワチラロンコン現国王の姉にあたる。ウボンラット王女を申請しました。

政党の幹部は「王女がわれわれの要請を受けてくださったことを誇りに思う」などとした声明を発表しました。

ウボンラット王女は67歳。タクシン元首相と関係が深いとされ、ロシアで行われたワールドカップをスタジアムで一緒に観戦する様子が、地元メディアなどで伝えられています。

今回の選挙を前に、暫定政権は軍主導の政治体制を維持するため、憲法を改正し、みずからに有利な選挙制度に変えています。

このため、5年前のクーデターを陸軍司令官として主導した、プラユット暫定首相の続投が濃厚とみられていました。

しかし、タイの王室は国民から絶大な信頼と敬愛を集め、批判の対象とすることも一切、法律で禁じられています。その王室の王女がタクシン元首相派の首相候補となったことで、構図は一変し、タイ政治の専門家からは、軍主導の政治体制の維持は難しくなったという見方も出ています。
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