暴行罪の「暴行」とは、人の身体に向けた有形力の行使を言う。有形力とは物理的な力のことで、典型的には殴る、蹴るなど(暴力)がこれに当たり、その範囲はかなり広い。

判例は、「毛髪を根元から切る」[2]、「着衣を引っ張る」[3]、「お清めと称して食塩をふりかける」[4]、人に対して農薬を散布する[5]、室内で日本刀を振り回す(後述)などを暴行としている。
しかし、つばを吐きかけるなどのように、傷害の危険が全くない有形力の行使までを暴行として捉えてよいのかどうかについては争いがあり、暴行というためには身体の生理的機能を害する程度の危険のある行為である必要があるとする学説もある。