「敵は大阪なり!」 「すべて国策なんです。」    元経済企画庁長官 堺屋太一

昔は繊維産業は全部大阪にあったんです。陶磁器産業は名古屋にあったんです。
それを全部、規格大量生産のために大阪にあったアパレル産業も化繊産業も東京に移した。
1960年代に大阪の繊維産業を東京へ連れてくることが(通産省の)大目標だった。
日米繊維交渉の時に当時の繊維局長が、「敵は米国ならず大阪なり」という看板まで局長室にかけて、
断固として大阪の繊維団体を持ってこいと言って。
当時旭化成の社長をしておられた宮崎輝さんを会長にして、屋上屋の日本繊維産業連合会をつくって、
宮崎さんが大阪の家を払って東京のマンションに住むと。
銀行でも、銀行協会会長は東京に本店のある銀行でなければならない。
したがって大阪に本店のある住友銀行と三和銀行、名古屋に本店のある東海銀行にはささない。
規格大量生産するためには東京ですべての規格を決めて、東京に放送局を集めて、キー局は東京以外には認めない。
そして東京からコマーシャルを流したら北海道から沖縄まで同じものが売れる。
頭脳機能「経済財政の中枢管理機能」「情報発信機能」「文化創造活動」の3つは東京以外でしてはならない。
大阪歌舞伎座は潰さなければならないとして、実際潰した。大阪のものは芸術祭には参加ささない。
(中略)
テレビの放送でも5つのもの(事件、事故、伝統行事、伝統産業、スポーツ)だけは地方発に載せてもよろしい。
例えば福岡のファッション、北海道のグルメはなかなか全国放送に載らない。そういう仕掛けにした。

(BSフジ「プライムニュース」) 
https://web.archive.org/web/20140718072802/http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d111031_1