浜松市内でクリハラリス(通称タイワンリス)=写真・同市提供=に庭先の果物や干し芋を食べられるなどの被害が相次ぎ、市が本格的な駆除に乗り出した。住民に協力してもらおうと捕獲講習会を実施。来年度は被害撲滅に向けた計画を立てるため調査をする。【奥山智己】

「ニホンリスのおなかは白いですが、褐色や灰色なのがタイワンリスです」。今月上旬、中区と西区にまたがる佐鳴湖公園で開かれた市の講習会には、定員20人を上回る約50人が訪れた。職員や専門家が生態やわなの使い方などを解説、参加者は熱心に聴いていた。

タイワンリスは、生態系や農作物へ被害を及ぼす恐れがある国が定めた特定外来生物。インド東部から中国南東部、台湾が原産地で、国内では1930年以降にペットや動物園から逃げ出すなどの原因で野生化したとされる。在来のニホンリスより一回り大きい。伊豆半島にも生息する。

市によると、数年前から、ネットを破られて中の干し芋や干し柿を食べられるなどの被害の報告が目立つようになった。市は天竜区を除いた市内の緑地に約1万匹生息すると推測。繁殖力が強く、多いと年3回の繁殖期があり、一度に4匹ほど産むことから、本格的な駆除を始めることにした。

タイワンリスについて、住民に学んでもらい捕獲に協力してもらおうと、講習会やシンポジウムを開催。具体的な駆除方法を探るため、来年度は北区の都田川周辺の生息調査を検討している。

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