「百害あって一利なし」の日韓スワップ
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226331/010800087/
真田:経済的な損害だけではありません。韓国はいくら助けても「日本のスワップなど意味はない」「日本のせいで通貨危機に陥った」と吹聴して回ります。恩を仇で返す国なのです。

 1997年の通貨危機の際、事実上破綻していた韓国に邦銀は最後までドルを供給しました。それなのに韓国人は「日本が逃げたから通貨危機が起きた」と言い張っています。

 米国や欧州の銀行が早々と韓国を脱出した後、孤軍奮闘、韓国に踏みとどまったのは邦銀です。最後まで残っていたからこそ、
IMFの救済金融を求めることを内定した際、融資を打ち切らざるを得なかったのです(「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。

最近も中央日報の日本語版で「日本のせいで通貨危機になった」という記事を読みました。

鈴置:イ・ジョンジェ論説委員が書いた「韓日通貨スワップは政治だ」(1月12日、日本語版)ですね。以下のくだりがあります。

(国際金融専門家の)S氏は「日本は一度も韓国が絶対に必要な時、望む時に助けてくれたことがない。むしろ最初にお金を抜き出し、不意打ちを食らわせた」と話した。
通貨危機が押し寄せた1997年、(日本は)真っ先に韓国からドルを抜きだした。
真田:当時、韓国の内実を知る金融界の経営陣は、最後まで踏みとどまった我々に深く感謝していました。ところが今ではこのありさまです。

加害者は言うことを聞け
なぜ、こんな言説がまかり通るのでしょうか。

鈴置:危機を起こした金泳三(キム・ヨンサム)政権が、責任逃れのため「日本のせいだ」と言い出したのです。ただ20年前は、もちろん専門家は事実を知っていました。政権の言い訳を批判した議員もいました。

 2008年に通貨危機に陥った際、韓国人は日本にスワップ締結を要求しようと「1997年の通貨危機は日本のせいで起きた。加害者であることを反省して、今度はさっさとスワップを寄こせ」という理屈をひねり出した。

 それが今や「定説」となりました。まあ、韓国では「何か問題が起きたら日本のせい」にするのが常道なのですけれど。