https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-11/PMRJENSYF01S01?srnd=cojp-v2

5月の欧州議会選、EU懐疑派が3分の1強の歴史的な議席数獲得も

Richard Bravo
2019年2月11日 23:41 JST
→欧州議会選、極右政党など躍進する見込み−欧州外交評議会調査
→反移民のイタリア・サルビーニ副首相、勢力結集を模索

5月の欧州議会選挙は、同議会創設以降で最も重要なものとなりそうだ。反欧州連合(EU)政党が議席の3分の1余りを占める見通しだと、新たな調査が明らかにした。

  欧州外交評議会(ECFR)が今週発表を予定する報告書によると、欧州の団結を唱えるフランスのマクロン大統領のような政治家が支持するプロジェクトを頓挫させようと、反EU政党が結集を試みる予定だ。特に、欧州議会の主流派政党の意見が割れる問題について、こうした動きが画策されているという。

  極右政党は今回初めて、EUの立法手続きを妨害できるだけの議席数を獲得する可能性がある。反EU政党は政策を巡り各党の根本的な相違を克服する必要があり、反移民を掲げるイタリアのサルビーニ副首相はポーランドのカチンスキ元首相やハンガリーのオルバン首相らとの勢力結集をすでに模索している。

  この調査でECFRは「5月の欧州議会選では、国民国家への回帰をうたう反EUの民族主義政党グループがかなりの議席を獲得する可能性がある。EUの中枢で政策決定をまひさせることができるようになり、EUのプロジェクトは不完全だが改革は可能だと主張する向きに冷や水を浴びせる恐れがある」と指摘した。