> 上野副会長は池江選手の詳細な病状について「白血病としか言えない。(急性か慢性かは)もう少し時間がかかる」

白血病という疾患名は異なる病態、予後を持つ
様々な白血病性疾患の総称である。
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白血病性疾患で日本で最も罹患率が高いのが
急性骨髄性白血病(46%)で、次いで急性リンパ
性白血病(13%)、成人 T 細胞白血病(11%)、慢
性骨髄性白血病(10%)、慢性リンパ性白血病(4%)
の順である。
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上記の中で最も予後の良い疾患として慢性骨髄
性白血病が挙げられる。慢性骨髄性白血病には
2001 年にイマチニブという非常に有効性の高い
薬剤が認可された。慢性期のこの疾患で同薬剤を
内服している患者の5年生存率は89%と報告され
ており、5 年生存率が 60%程度であった 2001 年
以前の治療成績を大きく変えた。
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白血病全体の生存率を大きく下げて
いる原因の一つに非常に予後が不良である成人 T
細胞白血病の存在が考えられる。同疾患は
HTLV-1 というウイルスに感染していることが原
因で生じる白血病であるが、生存期間中央値(50%
の患者が亡くなる時期)が約 8 か月と非常に予後
不良である。ウイルス保持者における成人 T 細
胞白血病の生涯発症率は 5%未満ではあるが、日
本は九州地区を主な地域として HTLV-1 の流行地
域であり現在全国に100万人程度のウイルス保持
者が存在すると考えられている。