昆虫が運んだ病原菌で樹木が枯死する「ナラ枯れ」について、青森県は13日、今季(2018年7月〜19年6月)の被害が1月末現在で2211本に上り、過去最多となったと発表した。被害を受けたのは全て深浦町内の樹木で、昨季(17年7月〜18年6月)の年間被害と比べると、180本の増加。秋田県境に近い地区で被害の増加が顕著だった。

県や東北森林管理局は、病原菌を媒介するカシノナガキクイムシ(カシナガ)が木から出てくる7月を基準に年間の被害数を計測している。今季の被害数は民有林が1103本で昨季の年間被害354本の約3倍。国有林は1108本で昨季より569本少ない。

 被害を地区別にみると、秋田県境に近い黒崎・大間越地区の民有林が659本で昨季の5倍近くに増加。森山・松神地区の民有林は398本で昨季の約3倍となっている。樹種別では例年と同様、ミズナラが被害の大半を占めている。

 秋田県北の気温が高めに推移したことなどからカシナガが木の中で生息しやすい環境が整い、秋田県から青森県に移動する数が増え、県境近くの被害が大幅に膨らんだ可能性が考えられるという。

 ナラ枯れの被害が増え続けた場合、森林の景観が損なわれるほか、家具や薪炭に使われる木材資源が減少したり、土砂崩れの危険が増したりすることが懸念される。このため、県は13日に青森市の県水産ビルで開いた会合で、被害木の駆除を徹底することなど今後の対策を説明した。

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2019年2月13日更新
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/152048