14年半近くにわたって火星から画像を送り続けてきた探査機「オポチュニティー」について、NASA=アメリカ航空宇宙局は、火星で起きた激しい砂嵐のために途絶えた通信が復旧せず、任務を終了させると発表しました。

火星探査機オポチュニティーは、火星を覆った巨大な砂嵐の影響で太陽の光が届かなかったために充電できず、去年6月から地球との通信ができない状態が続いていました。

NASAは13日、記者会見を開いてオポチュニティーの状況について説明しました。それによりますと、12日から最後の通信を試みましたが13日朝までに反応がなく、探査の継続を断念し、任務を終了させることにしたということです。

オポチュニティーは、火星を走行する探査機で、2004年1月に火星の表面に降り立ったあと、太陽光パネルが予定より長持ちしたことなどから、当初3か月とされていた活動期間を大幅に超えて、14年半近くにわたって地表の詳しい画像を送信し続けてきました。

この間、走行した距離は45キロと、地球以外の天体では最長で、火星の表面にかつて塩分を含んだ大量の水があった痕跡を見つけるなどの成果を上げてきました。

NASAのジェット推進研究所のマイケル・ワトキンス局長は、「任務は終わるが、オポチュニティーは宇宙探査の新しい地平を切り開き、多くの遺産を残し、科学者だけでなく、一般の人たちにも大きな刺激を与えた。遺産は今後の探査にも生かされていく」と話しています。

2019年2月14日 8時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190214/k10011814231000.html?utm_int=news_contents_news-main_006
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