https://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_27449.html?page=6
社員数約50人で東証一部に上場する人材系の新興企業がある。トップダウンの意思決定はせず、数値目標もない。いわゆる「ティール型組織」を地でいく。自社の経営理念を、サービスで提供する経営者の素顔とは──。
■スポーツチームのような会社をつくりたかった
■3年目で子会社社長に抜擢
■長時間労働では社員が幸せになりづらい
■事業内容を決める前に「会社の箱」をつくった
■子会社時代とほぼ同人数で8倍の売り上げ
■やる気はあるのに会社で活躍できないワケ
【田原】エンゲージメントって何ですか?
【新居】硬い言葉で定義すると、「組織や職務との関係性に基づく自主的貢献意欲」です。いま組織マネジメントの世界でもっとも注目されている概念の1つです。
【田原】よくわからないな。モチベーションと似たようなものですか?
【新居】別の概念です。モチベーションは行動するための動機付け。エンゲージメントは会社や仕事との関係性に基づくもの。「この仲間と一緒に働きたい」「この仕事に価値ややりがいを感じる」など必ず対象が存在し、外部からも改善可能で、基本的にはブレにくい。
【田原】ということは、自分の働くモチベーションは高いけれど、いまの会社や仕事とは合わず、エンゲージメントは低いという状態がありうる?
【新居】まさにその通りです。
■なぜ日本の大企業は「ダメ」になったのか
【田原】言葉はともかく、従業員のやる気が大事だというのはよくわかりますよ。松下幸之助さんも「社員が幸せにならない会社は絶対に成功しない。社員を幸せにして、いかにやる気を高めるのかが大事」と話していました。まさに日本の家族経営を代表する企業で、実際に社員のロイヤルティーは高かったと思う。ただ、そのパナソニックにしてもいまは振るわない。パナソニックだけじゃない。三菱重工業にしても東芝にしても、ぜんぶダメですね。
【新居】現場の社員一人一人は、非常に優秀です。でも、上にいる人たちがわかってないから、現場の知恵や意欲が活かされていないんじゃないかと。
【田原】でも、日本の大企業の社長はサラリーマンで、現場出身ですよ。現場から出てきたのに、どうして現場の声を聞かなくなっちゃうんだろう?
【新居】どうしてでしょうね(笑)。現場において優秀な人と、経営者として優秀な人が、必ずしも一致しないからかな。さらにいろんなしがらみもあり、日本の大手では本当に意欲ある有能な人が経営者になっているとは言いきれない気がします。
【田原】それはあるね。僕は40〜50代のときに日本の大企業をたくさん取材したけど、大きな仕事をした人は、だいたい常務どまり。社長になるのは、仕事を無難にこなして、社内で敵をつくらない人たちだった。
■「社員の不満」を聞き出す方法
■「結果として間違っていたら変えればいい」
■売り上げ目標のない人事評価制度
■田原さんから新居さんへのメッセージ
新居さんの話を聞いて、僕は昔取材に行ったグーグルを思い出しましたグーグルには「業務時間のうち20%を自分の好きなことに使っていい」というルールがあって、エンジニアたちが生き生きと働いていた社員のエンゲージメントを高めるには、指示命令型ではなく、社員が裁量を持って働ける環境が必要グーグルは、まさにそうした会社でした
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