【ワシントン=黒瀬悦成】米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)は15日、南北の軍事境界線から約250キロ北方の北朝鮮中部サンナムに、中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程3千キロ以上)が配備された稼働中のミサイル基地が存在すると指摘した報告書を発表した。

 報告書は同基地について、沖縄やグアムの米軍基地を含む東アジアの複数の標的に対する戦略的先制攻撃を行うのが目的とみられると指摘。また、同基地は北朝鮮が公表していない約20カ所の弾道ミサイル基地の一つで、米朝の非核化協議の対象にもなっていないとみられるとした。

 同研究所は、北朝鮮が公表していない弾道ミサイル基地のうち13カ所を特定したとし、今年1月にも北西部の新五里(シノリ)にある中距離弾道ミサイル「ノドン1号」が配備されたミサイル基地の存在を指摘していた。

 報告書はまた、今後の米朝交渉で、北朝鮮が発表した北西部・東倉里(トンチャンリ)のミサイル基地「西海(ソヘ)衛星発射場」のみを解体することで合意した場合、「他の未公表の弾道ミサイル基地が米軍や韓国に及ぼす脅威がうやむやにされる」ことになると警告した。

2/16(土) 10:47配信
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