杉「ミステリーサークル」にビックリ…伐採せず


 二つのミステリーサークルの正体は、飫肥杉おびすぎ――。
宮崎県日南市の森林に広がる直径70メートルほどの幾何学模様は、
同市一帯に分布する杉の成長や強度を調べるための試験林だ。

 宮崎南部森林管理署によると、飫肥杉は油分が多くて腐りにくいため、
木造船などに使われていたが、繊維強化プラスチック(FRP)の普及に
よって需要が激減。住宅建材用に適した植栽密度と成長の関係を調べる
ため、1973年度に試験栽培が始まった。

 1周36本ずつ、中心に近づくにつれて植栽間隔を狭くして12周分
植えた。その結果、外側の木は高さ約20メートルにまで成長し、
中心部より約5メートル高かったという。

 同署の野辺忠司次長は、「樹高は植栽密度に影響されないという定説が
覆された。ミステリーサークルのような形になっているとは驚きだ」。

 試験栽培は50年を迎える2023年度に終えて伐採する予定だった。
だが、思いがけない現象と反響に、今後は観光資源としても活用していく
という。


読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190216-OYT1T50284/

飫肥杉が円形に植栽された「ミステリーサークル」=田中勝美撮影
https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190216-OYT1I50082-T.jpg