河野大臣が「激しいやりとりもあった」とする日ロ外相会談ですが、北方領土に住むロシア人たちは返還問題をどのように受けとめているのでしょうか。北方4島の一つ、色丹島で住民の本音を探りました。

雪に覆われた北方領土の色丹島。日本への北方領土の返還について、島民からは厳しい声が聞かれます。

「我が領土を一寸たりとも譲ってはいけない」(色丹島の島民)

最新の世論調査では、北方領土に住む9割を超える島民が日本への島の引き渡しに反対していて、ロシア各地では島の引き渡しへの反対運動が繰り広げられました。さらに、プーチン政権が繰り返し懸念を表明してきたのは、アメリカ軍の北方領土での展開です。

「米軍が基地をつくらない保証があれば、あすにでも島を引き渡していい」(ミハイル・ボヤノフさん)

色丹に長年暮らしてきたミハイルさん(59)にとっても、アメリカ軍は、大きな脅威です。しかし、ミハイルさんは島の引き渡しに反対する気持ちにはなれません。

「(ロシア政府が)この島にしがみつくなら、日本人が目をまわして驚くほど(島を)綺麗にし、何もかもが完備された場所にすべきです」(ミハイル・ボヤノフさん)

択捉島や国後島よりも面積も人口も少ない色丹島の開発が遅れていて、生活が改善されない不満が政権へと向かいます。

「家族1人につき500万ルーブル(約820万円)(日本が)出してくれればそれでいい。私だったらあすにでも島を出る」(ミハイル・ボヤノフさん)

日本から補償金が出れば、「明日にでも島を去る」。政権への不満を持つミハイルさんは、島の引き渡しで生活が改善することへ期待を寄せています。さらに、アレクサンドルさん(47)もこんなことを打ち明けてくれました。

「補償金があれば良いと思う。市民は仕方なく移住することになるが、何もないよりかはいい。多くの人がそんな期待をしているだろう」(アレクサンドルさん)

プーチン政権の思惑とは裏腹に、島の引き渡しによる補償金に期待を寄せる島民がいます。政権が、島の開発に力を入れてこなかった代償がこのような一部島民たちの思いにつながっているのも現実です。

TBS 2/17(日) 18:57
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