引きこもりの実態を把握しようと岩手県が初めて実施した調査で、引きこもり状態とみられる人は県内に1616人おり、このうち40代以上が61.7%を占めていることが分かった。現役世代を含む「大人の引きこもり」対策の必要性が浮き彫りになった。

内訳は男性が1148人で約7割を占めた。年代別では40代が407人(25.2%)で最も多く、30代が333人(20.6%)、50代が317人(19.6%)と続いた。引きこもり状態の期間は10年以上が598人(37.1%)で最多だった。

現在受けている支援は「不明」が44.4%、「何も受けていない」が28.5%。行政や医療機関による支援が十分に行き渡っていない実態が明らかになった。

「地域住民の社会参加活動に関する実態調査」は昨年6〜8月に実施。県内の民生委員と児童委員計3339人を通じ、外出や家族以外との交遊を6カ月以上避けている15歳以上を集計した。

現場の民生委員と児童委員が必要と感じている支援策(複数回答)は「家族への支援」「支援窓口の周知」が多数を占めた。県障がい保健福祉課は「相談窓口の利用者が少ない。市町村で周知に力を入れてほしい」と指摘する。

県は新総合計画(2019〜28年度)の基本理念に「県民の幸福」を掲げており、引きこもり解消に向けた施策を強化する方針だ。

東北では秋田県藤里町が、地域社会の担い手として生産年齢世代の引きこもりに着目。地元企業と連携して就労を促す取り組みが成果を上げている。

河北新報 2/18(月) 9:52
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