日本 糞尿を海へ投棄

人口集中が下水道整備を超過した1950年代、都市部の収集糞尿は船舶による海洋投入処分が主流となっていた。当時、東京湾外の青い海原に広がる糞尿の黄色い帯が、「黄河」と評されたという。

その後、下水道の普及や屎尿処理の高度化により、屎尿や下水道・浄化槽汚泥の(施設の建て替えなどによる)一時的な処分や、ボーキサイトからアルミニウムを精製する工程で発生する赤泥(せきでい)を処分する手段として、小規模に継続していた。

やがて、ロンドン条約の1996年議定書を批准して国内法規を整備し、2002年の廃棄物処理法施行令の改正と2007年までの猶予期間の終了により、海洋投入は原則として廃止された。

現在では、海底の浚渫土砂などごく限られたものだけが、海洋投入を認められている。