>>200
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/639105/
より

ワークシート、鉛筆書きで9カ所の消しあと
 弁護側は反対尋問で鑑定の過程を尋ねた。
DNA鑑定の経過を記録したワークシートが鉛筆で書かれており、少なくとも9カ所で消しゴムを使って修正されていると確認。
大学時代に実験ノートの付け方を指導されたことがないこと、科捜研においては、鉛筆を使わないこと、 訂正する場合は二重線を使い訂正前の記述を分かるようにすることなどの指導がないことを確認した。

 鑑定に当たっては、作業を映像等で記録していないこと、残りの抽出液は事件が起きた2016年の年末に廃棄したと思われること、
その記録がないことも確認した上で、2010年の警察庁のDNA鑑定の運用に関する通達では「鑑定はなるべく資料の一部をもって行い、
当該資料の残余又は鑑定後に生じた試料(府県科捜研において鑑定に使用するため資料から採取等して分離した物をいう。以下同じ。)の残余は、
再鑑定に配慮し、保存すること」とある点に違反していないかと質問したところ、「解釈が違う」と答えた。

 DNA定量検査では、標準試料の増幅曲線や検量線、融解曲線などが保存されておらず、「第三者が追試することは不可能では」との質問に、「はい」と述べた。
アミラーゼ反応においても、反応の様子は一人で確認し、写真がないことも説明した。

 検察側は再尋問で、他のケースでも検査の過程を撮影しないこと、残余の資料を保管していないこと、今回のリアルタイムPCRで使った機種では毎回、標準試料を使って増幅曲線を作成する必要がなく、
標準試料のロットが変わるごとに作り直すこと、通常は変わったタイミングで以前の増幅曲線などを保管していないことを確認した。

 大川隆男裁判長はDNA定量については「型鑑定のための前さばきのようなもので、DNAの量が問題になるという認識はあったのか」と質問。
科捜研研究員は「なかった」と答えた。
また、アミラーゼ反応については、「上司にも『私が見たからこうです』以外の説明はないのか」と確認。研究員一人の判断のみであることについて、「裁判で本当に見たのかと議論になるが、科捜研で対応はないのか」と聞くと、「ない」と回答。
ない理由を尋ねると「私には分からない」と答えた。


便宜上所々改行しました