なぜ、容疑者は社会的立場を忘れて欲望に走ったのか。
自宅を訪ねると、容疑者の義理の父親が孫をベビーカーに乗せて散歩に出てきた。

「もう何がなんだか、さっぱりわからないんですよ。面会にはまだ行っておりません。
弁護士と向こうのご両親にお任せしておりますので。うちも被害者なんですよ。ですから取材はやめてください」

などと強く言うばかり。

容疑者の妻は、

「本人が帰ってこないので何もわからないんです。被害者を傷つけてしまったというのはわかりますし、事実ならば本当に申し訳ないと思っております。
しかし、本人がやったことなので……。はぁ〜、こういうときって、どうすればいいんですか……」

と動揺を隠せずに声を震わせた。

家族を困惑させ、勤務先校の児童らを裏切り、何より被害女児の心に大きな傷をつけた罪は重い。
愛着を込めて「カバ」と呼ばれた容疑者は、取り返しのつかない「バカ」なことをした。