東京都三鷹市は新年度から、ごみの分別方法の問い合わせに、人工知能(AI)が答えるシステムの運用に乗り出す。複雑なごみの分別方法は市民から問い合わせが多いが、スマートフォンなどから質問すればAIが24時間365日回答する仕組みで、業務の効率化や市民サービス向上につながるという。市は10月頃の運用開始を目指している。

 市は有料の粗大ごみの回収に種類や大きさで点数が細かく設定されているポイント制を採用しており、計10ポイント以内なら1000円、11〜15ポイントなら1500円などと費用が異なる。市ごみ対策課には1日50件程度の問い合わせがあり、多くが粗大ごみ回収のポイント制に関するもの。引っ越しシーズンの3〜4月には100件に及ぶこともあるといい、電話がつながりにくくなる弊害も起きている。

 市は今回、自動会話プログラム「チャットボット」を採用する予定。パソコンやスマートフォンなどで文字を打ち込んで質問をすると、AIが会話形式で瞬時に返答を打ち返す仕組みだ。

 例えば、「食器棚を捨てたい」と打つとAIが単語を認識し、「サイズはどれくらいですか」と返す。食器棚の大きさを答えると、AIが「それは○ポイントの粗大ごみです」と答えるなどし、処分方法を案内する。ホームページでの検索などと違い、問い合わせを繰り返すうちに知りたい答えにたどり着ける仕組みだ。

 市によると、チャットボットは既に墨田区や横浜市のごみ分別、都の受動喫煙防止対策への問い合わせに回答する業務などに活用されている。三鷹市は2019年度予算案に導入経費176万円を計上。同年度の活用実績を考慮し、20年度以降、福祉分野など他の業務にも活用範囲を広げられないか検討する方針。

 清原慶子市長は15日の記者会見で「市職員の働き方改革につながる取り組みと考えている」と話した。

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