所内の作業では給料が貰えます。
炊場に移ってからは残業や早出の割増分もあって、額がすごく増えました。
月に1万5千円くらいでしたが、中ではかなりの高給取りでしたね。

でも、それを元手に読み切れないほど本を買って後悔しました。
学術書は文庫でも2千円くらいするので、出所後に役立てるはずのお金が足りなくなってしまうという、本末転倒の状態に陥ったのです。

 勾留期間を除いて正味12年半となった服役中に、ざっと100万円以上稼いでいたのに、
出所時の所持金は38万円しかなく、そのお金もあっという間に使い果たしてしまった。

最初は生活用品が全くない状態で社会に出て、大体の品物は100円ショップで手に入るというのに、
それを知らず無駄に何倍もの値段で買っていたのです。

 もともと私は経済観念に乏しく、サークルの頃も収支はどんぶり勘定。
知人に借金をしながらイベントを開いて、入った金は全部使う。
この繰り返しで貯金ゼロのまま刑務所に入ったのですが、恥ずかしながら誰にいくら借りて、
それがどうなったのかも現在、正確に把握できておりません。


そりゃ親族も迎えに来ないわ
金にルーズなやつの末路って感じだ