男を移送“刺したが現金とらず”

http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20190227/2060002127.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

広島市で86歳の男性が殺害された強盗殺人事件で、指名手配されていた男が大津市内で逮捕され、
身柄は広島市の警察署に移されました。
「家の人に気付かれて刺したが、現金はとっていない」などと供述しているということです。

広島県呉市の無職、冨田幸誠容疑者(34)は2月19日の夜から翌朝にかけて
広島市中区の住宅で、植松一廣さん(86)の首などを刺して
殺害し現金を奪ったとして強盗殺人の疑いが持たれています。
警察は、現場で見つかった血液のDNAの型が一致したことなどから、
冨田容疑者を強盗殺人の疑いで指名手配していたところ、27日未明、
大津市内の路上で、警察官が自転車に乗っているのを見つけ、逮捕しました。
その後、身柄は広島中央警察署に移されました。

調べに対し、「盗み目的で窓から侵入し家の人に気付かれて刺した。
包丁はとったが、現金はとっていない」などと供述しているということです。
また持っていたかばんからは果物ナイフやカッターナイフなどが見つかりましたが、
所持金は99円しかなかったということです。
警察は、詳しい動機やいきさつを調べています。

【現場を車で通りかかった男性は】
冨田容疑者の身柄が確保された大津市大江の国道1号線の近くを27日午前0時半から1時ごろにかけて
車で通りかかったという50歳の会社員の男性は、
「買い物帰りに車に乗っていたら誰かが警察に職務質問されているのを見かけた。
けさになって広島の事件の容疑者が逮捕されたというニュースをみて、
やっぱりあれがそうだったのかと思った」と話していました。

【現場の近くに住む女性は】
冨田容疑者の身柄が確保された現場の近くに住む40代の女性は、
「逮捕されたと聞いてびっくりしました。東京に向かってるというニュースは見ましたが、
まさかこんなところを通ってるとは思いませんでした。
そういう人が近くをうろうろしていたかと思うと怖いです」と話していました。

【新聞販売店の男性は】
冨田容疑者が警察官から職務質問されている様子を目撃したという新聞販売店の40代の男性は、
「5、6人の警察官に取り囲まれていて、逃げたり暴れたりする様子はなく、じっとしていた。
最初は事故だと思っていたのでまさか広島の事件の犯人が逃げてきたとは夢にも思わず、
ニュースを見てびっくりした。実際に会っていたら何をされるかわからないのでいま思えば怖いです」と話していました。

【逮捕の経緯】
逃走を続けていた冨田容疑者は、広島市からおよそ300キロ離れた大津市内の路上で逮捕されました。
警察によりますと、26日昼すぎ、京都市伏見区の市の事務所に冨田容疑者と特徴の似た男が自転車で立ち寄り、
「東京に行きたい」などと話したということです。
夜になってこの事務所の男性から通報があり、警察官が隣接する滋賀県内でも警戒していたところ、
27日午前0時半ごろに大津市内の路上で、自転車に乗っていた冨田容疑者を見つけて職務質問したということです。

事件直後と同じ服装で、作業用手袋をしていましたが、かばんから何かを取り出そうとした際、
手袋を外し、警察官が左手の親指に包帯を巻いているのを確認したということです。
冨田容疑者は警察官の職務質問に対し、当初、偽名などを使い、「急いでいる」などと言って
走り去ろうとしましたが、警察署への同行を求めると素直に応じ、指紋が一致したことから本人と確認されたということです。

持っていたかばんからはカッターナイフと果物ナイフのほか、本人名義の健康保険証や診察券、
それに懐中電灯なども見つかりましたが、所持金は99円しかなかったということです。

【逃走時の自転車写真公開】
滋賀県警は、冨田容疑者が大津市で身柄を確保された際に乗っていた銀色の自転車の写真を公開しました。
警察によりますと、自転車には前かごと荷台、それに変速ギヤが付いているということです。
また比較的新しい自転車のように見えるということです。

広島県警は、冨田容疑者が逃走中にこの自転車を盗んだか、購入したとみて調べています。

02/27 16:49