「君ね、私は政治家になりたかったのよ。私は毛利(松平)先生には随分世話になったのよ。
今の極真があるのは毛利先生のお陰です。でもね、死んだ先生に鞭打つ事は言いたくないのだがね、私は毛利先生には2つだけ文句があるんです。
1つはね、笹川(良一)先生から全日本空手道連盟への参加を直談判された時にねえ、毛利先生は小さくなって何にも私に助太刀をしてくれなかった。
あの時は情けなかったよ。自分の尊敬する親分が笹川の前で猫みたいになって何にも言えないんだもの。
2つ目はねえ、空手バカ一代が売れて売れて、私のところに自民党が参院選に出ないかと三顧の礼で頼みにきた時に、毛利先生だけが大反対したのよ。
お前は空手家だから政治家にはなってはいけないと言うんだがね。私は分かっていました。毛利先生の腹の中がね。
私が朝鮮出身者だから、スキャンダルになるのを恐れたんだね。それが自分にも火の粉が飛んでくるのが怖かったのよ。
毛利先生も、もとを辿れば清廉潔白じゃないからね。戦後、随分悪い事もしたから…。私を政治家にする訳にはいかなかったんだね。
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