F-2のようなFBW(フライ・バイ・ワイヤ)機は
Flight envelope protectionがあるので、基本的に失速しない。

失速させるような急激な機首上げをしようとスティックを引いても
介在するFCSが操作をオミットして機首上げを抑制する。

F-16にはMPO(Manual Pitch Override)スイッチがあり、これをNormal
からoverrideに切り替えると、FCSの介入がなくなり機首上げで失速に入る。

今回の事故は、おそらく訓練の一環としてF-2に機種変する訓練生にF-2の
失速特性を体験させるために、教官がMPOをoverrideにした状態にして、訓練生に
低速、機首上げをさせたところ、悪性のスピンに入ってしまい、エンジンへの
吸気が絶たれて、エンジンがフレームアウト。
教官が操縦を変わってスピンからの脱出を図ったが果たせず(ドラッグシュートも使ってもダメだった?)
高度も失われたのでリカバリーを断念してベイルアウトしたのではないかと。