タカタ元社員9人 インサイダー取引で金融庁に勧告へ
2019年3月1日 12時07分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190301/k10011832681000.html

1兆円を超える負債を抱えておととし経営破綻した大手エアバッグメーカー「タカタ」の元社員9人が民事再生法の適用を申請することなどが公表される前に、保有する株を売り抜けるインサイダー取引をしたとして証券取引等監視委員会が課徴金を科すよう金融庁に勧告する方針を固めたことが関係者への取材でわかりました。
勧告の対象となるのはおととし経営破綻した大手エアバッグメーカー「タカタ」の元社員9人です。

「タカタ」はアメリカなどで相次いだエアバッグの大規模なリコールで1兆円を超える負債を抱えおととし6月、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。

1兆円を超える経営破綻は日本の製造業としては過去最大で「タカタ」はその翌月上場廃止になりましたが、関係者によりますと元社員らは民事再生法の適用を申請することなどが公表される前に、保有する自社の株を売り抜けていた疑いがあるということです。

このため証券取引等監視委員会は金融商品取引法に違反するインサイダー取引にあたるとして元社員らに対し、合わせて700万円余りの課徴金を科すよう金融庁に勧告する方針を固めました。

「タカタ」は去年、事業や資産をアメリカの部品メーカーに譲渡し創業から85年続いた社名も消滅しています。
「タカタ」の経営破綻とは
世界的なエアバッグメーカーだった「タカタ」はアメリカなどで相次いだ大規模なリコールの影響で1兆円を超える負債を抱えおととし6月、裁判所に民事再生法の適用を申請し経営破綻しました。

日本の製造業の経営破綻としては過去最大の負債額で、「タカタ」はその翌月、上場廃止になり株価は18円で最後の取り引きを終えました。

そして事業や資産は中国企業の傘下にあるアメリカ部品メーカーに譲渡されました。タカタは戦後、シートベルトの製造などで事業を拡大しエアバッグの分野では世界の3大メーカーの一角に成長しましたが、大規模なリコールへの対応の遅れなどで消費者や関係企業の信頼を失って経営破綻に追い込まれ、去年6月には、創業から85年続いた社名も事業の譲渡に伴って消滅しています。