和歌山県の漁協が伊勢エビの放流の量をごまかして白浜町から補助金を不正に受け取っているのではないかという疑惑で、4日、白浜町の調査結果が明らかにされ、不正は2006年以降10年以上にわたって続いていたことがわかりました。

高級食材・伊勢エビの名産地の白浜町では毎年地元の「和歌山南漁協」に補助金を出して伊勢エビを増やすための放流事業を行っています。ところが…

「ちょっとおかしいなって。なんで伊勢エビの数は増えないんだろうって」(地元の漁師・吉田浩さん)

「和歌山南漁協」が漁師から小さい伊勢エビを買い取って海に戻します。その際にかかった買い取り費用などを町に申請すれば白浜町が一部を補助してくれるというものです。
  
しかし、補助金を多くもらうため漁協は放流した伊勢エビの数を実際より多く報告し、買い取り費用を水増ししていた疑いが浮上したのです。2017年度の報告書には121キロの伊勢エビが放流されたことになっていましたが…
 
「ぶっちゃけやってないです。(Q.実際は何キロ放流した?)60〜70キロくらいだったと思う。とりあえずそれでってお願いされた。そういう指示を受けた」)(伊勢エビの放流をした男性)

また、この漁協の組合長は…

「職員の方から組合長の決済なしに自分の判断でやったことは申し訳ないという人もいる。(Q.組合長はご存知なかった?)全然知らん」(榎本秀春組合長)

この問題について白浜町が調査に乗り出し、4日その内容が明らかになりました。調査の結果、漁協は町に提出する領収書や写真の偽造を繰り返し、不正受給は少なくとも2006年度から12年間、合わせて570万円あまりに上ることがわかりました。一方で、歴代の漁協関係者らは不正に得た金は別の補助金では賄いきれない施設の改修などに充てたと話していて、私的に使われていたことはなかったということです。

「伊勢エビ放流の補助金は建前として放流したことにすれば、実際は何に使っても構わない、と町に言われた」(漁協関係者)

また、行政側のチェック体制も機能していませんでした。当時の複数の担当者が「政治的判断でなされたことと思っており、漁協から請求書が出されればただ支払えばよいものと思っていた」という認識を持っていたということです。

「町としても一定の反省をしないといけない。(町と漁協に)なれ合いみたいなところが多々あったのかもしれない」(井澗誠・白浜町長)

町は今後、漁協に自主返納を促すということです。

3/4(月) 19:12
MBSニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190304-00026845-mbsnews-l30
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