2018年(1〜12月)の米・米加工品の輸出額が7年連続で過去最高を更新し、初めて300億円の大台を超えたことが、農水省の調べで分かった。米と日本酒、米菓の全品目で過去最高となった。一方、19年に輸出額を600億円にする政府目標との開きは大きい。海外需要の掘り起こしなど、大幅なてこ入れが求められる。

 財務省の貿易統計を基に農水省が公表した。米、日本酒、米菓を合わせた米・米加工品の輸出額は前年比17%増の304億1200万円となり、統計がある2004年以降で最高となった。

 品目別では、米(援助米を除く)は前年比17%増の37億5600万円。最多の香港が14%増の11億6000万円の他、シンガポール(8%増の6億9400万円)が続いた。食味維持のため、玄米の形で輸出して現地で精米する形態が多い。シンガポールでは18年、玄米輸出の割合が7割に達した。

 輸出拡大が期待される中国は2億1100万円と、前年から2・2倍に伸びた。中国向け輸出に必要な指定を受けた精米工場や薫蒸倉庫が増えたことに加え、昨年11月には、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う輸入規制を一部緩和し、新潟県産米の輸出が可能となった。こうした動きを、輸出ペースの加速につなげられるかが鍵となる。

 日本酒は19%増の222億3200万円で、初めて200億円の大台を超えた。米菓は6%増の44億2500万円。ともに米国が最多で、それぞれ3割弱を占めた。

 米・米加工品の輸出では、19年の輸出額600億円目標の他に、同省が17年、当時の斎藤健農相の肝いりで、19年に米輸出10万トンを目指すプロジェクトを立ち上げた。

 18年の輸出量は前年比12%増の3万1741トンと、統計がある15年以降、3年連続で伸びている。内訳は、米が前年比16%増の1万3794トン、日本酒と米菓が原料米換算でそれぞれ、1割増の1万4502トン、5%増の3445トンとなっている。こちらも目標達成には、この1年で3倍に伸ばす必要がある。

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