部下の職員に暴言を浴びせたとして任期途中で辞職した兵庫県明石市の泉房穂(ふさほ)前市長(55)が、10日告示、17日投開票の市長選に出馬する意向を固めたことが6日、後援会関係者への取材で分かった。7日夜に支援者向けの集会を開いて正式に表明する。

 関係者によると、泉氏の子育て政策などに賛同する市民団体の主婦らが泉氏の立候補を求める計約5千人分の署名を集め、後援会幹部に出馬を要請していた。泉氏は「最終的には家族の意向を踏まえて判断する」としながらも「市民による署名活動に心を動かされた。有権者に暴言問題の判断を仰ぎたい」などと述べているという。
 泉氏は平成29年6月、道路拡幅工事に伴うビルの立ち退きが進んでいないことについて、市長室で幹部職員に「火を付けて捕まってこい。燃やしてしまえ」などと発言。今年1月29日の会見で謝罪し、2月2日付で辞職した。市長選出馬については「多くの意見を聞きたい」として明言を避けていた。
 泉氏は東大卒。NHK職員や衆院議員などを経て23年の明石市長選で初当選。27年に再選を果たした。
 同市長選には、共産党の元兵庫県議、新町美千代氏(71)▽元同県加西市長の中川暢三(ちょうぞう)氏(63)▽元明石市長で県議の北口寛人氏(53)が出馬を表明している。
 市選挙管理委員会によると、泉氏が当選すると任期は4月末までで、4月の統一地方選で再び市長選が実施される。

2019年3月6日 産経新聞
https://www.sankei.com/smp/west/news/190306/wst1903060023-s1.html