東日本大震災からまもなく8年となるのを前に、NHKが岩手・宮城・福島の被災者にアンケートを行ったところ、
震災の遺構をもっと多く残すべきと思う人と、残すべきでないと思う人が、ともに3割前後になり、賛否が分かれる結果となりました。
風化への懸念が高まる中で震災をどう伝えていくのかが課題となっています。

NHKは、去年12月からことし1月にかけて、岩手・宮城・福島の被災者や、原発事故の避難者など、合わせて4400人余りにアンケートを行い、全体の36%にあたる1608人から回答を得ました。

この中で、震災が風化していると思うか尋ねたところ、「そう思う」と「ややそう思う」の回答が合わせて60.7%に上りました。

一方、「そう思わない」と「あまりそう思わない」は、合わせて19.1%でした。

また、もっと多くの震災の遺構を残すべきかどうか尋ねると、「そう思う」が14.3%、「ややそう思う」が13.9%で、合わせて28.2%だった一方、「そう思わない」が16%、「あまりそう思わない」が19.4%の合わせて35.4%となり、賛否が分かれる結果となりました。

もっと多くの遺構を残すべきだと考える人のうち、79%は「自分の体験を語り継ぐ必要があると思う」と答えました。

一方で、もっと多くの遺構を残すべきではないと考える人のうち、50.4%は「震災のことを思い出したくない」と答えています。

復興の工事に伴って被災地の風景が大きく変わり、風化への懸念が高まる中で、震災をどう伝えていくのかが課題となっています。

自由記述の中で、岩手県大船渡市の60歳の男性は「震災の教訓となる被害の爪痕を残さないのは、未来の人類への警告として伝えられない。個人の気持ち以上に大事なことだと思う」とつづっています。

宮城県石巻市の86歳の女性は「地震や津波の怖さを考えることはいいことだと思いますが、みんな悲しく苦しい思いをたくさんしているので、いい気分はしません」と回答しています。

※ソースに動画有り

(ソースNHK)
東日本大震災 遺構残すべきかどうか賛否分かれる アンケート
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190310/k10011841971000.html
2019年3月10日 6時00分