暴言問題による前市長の辞職に伴う兵庫県明石市長選が10日告示され、前職、元職、新人の3人が立候補を届け出た。暴言問題やトップとしての資質、子育て・福祉施策を巡る論戦が始まった。17日に投開票される。

 立候補を届け出たのは、元県議で無所属の元職、北口寛人氏(53)▽元県議の共産新人、新町美千代氏(71)▽無所属の前職、泉房穂(ふさほ)氏(55)――の3氏。

 第一声で北口氏は「暴言で辞任した前市長が当選すれば、もう一度(統一地方選で)選挙となり、経費が無駄にかかる」と批判。新町氏は「パワハラを市役所から根絶する。まず市長が手本にならなくてはいけない」と主張した。泉氏は「申し訳ない気持ちもあるが、まずは皆さんに感謝したい」と訴え、頭を下げて商店街を回った。

 泉氏は2017年6月、道路拡幅に伴う用地買収を巡り「立ち退きさせてこい。火をつけて捕まってこい」などと担当幹部に暴言を浴びせ、発覚後の今年2月2日付で辞職した。

 公職選挙法の規定で、泉氏が今回当選しても任期は当初の4月末までで、4月の統一選で再び市長選となる。北口氏か新町氏が当選した場合は、任期は4年となる。

 市選挙管理委員会によると、9日現在の選挙人名簿登録者数は25万471人。【浜本年弘、井上元宏、黒川優】


毎日新聞 2019年3月10日 17時49分
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190310/k00/00m/010/106000c