■東日本大震災後に登場したLINE

 2011年3月11日の東日本大震災から8年。当時はまだスマホもほとんど普及しておらず、多くの人がガラケーを利用していた。LINEもなかった。連絡手段はほとんどが携帯電話のメールが主流だった。東日本大震災では電話が不通になってしまい、多くの人がメールやTwitter、FacebookなどのSNSは利用できたので、ネットが電話の代わりに利用されて、安否確認に大いに役立った。特にTwitterやFacebookで自分や周辺の情報を世界中に写真や動画で発信したり、メッセージ機能で個別に連絡を取り合っていた。SNSが震災時の安否確認に役立った世界初の事例として海外からも注目された。

 今でこそ、スマホが普及してLINEがコミュニケーションの中心になっており、LINEのない生活なんて想像できない人も多いだろう。だが、東日本大震災時にはまだLINEがなかった。東日本大震災から3か月後の2011年6月からサービスを開始。

 震災直後ということもあり、相手がメッセージを読んだ、つまり相手の無事を確認できる「既読」機能も搭載した。「既読」機能は現在ではFacebookメッセンジャーなどでも活用されている。

■3年前にLINEが利用できなくなった時にはパニックにも

 そして現在では日本では誰もがLINEを家族や友人、知人らとの連絡手段とするほど普及している。日本国内で7800万人が利用しておりまさに「日本人のコミュニケーション手段の中心」になっている。「LINEする」という言葉が日常生活、メディアでも普通に使われるようになり、LINEがなくなっては生活も仕事もできないという人も多い。

 だがLINEは民間企業が提供するスマホのアプリだ。LINEが突然利用できなくなることも想定しておかないといけない。実際に、3年前の2016年3月11日(金曜)17:45から19:58までの約2時間15分間に渡ってLINEで障害が発生して、メッセージの送受信や通話機能などが使えなくなった。当時全世界で1億人以上、日本で6,800万人以上がLINEを利用しており、サービスが利用できなくなった。

 LINEがシステム障害で利用できなくなった3月11日は、東日本大震災からの5年目で14:46には日本中の多くの職場や学校で黙祷が行われていた。その3時間後にLINEが利用できなくなった。もう忘れてしまった人も多いかもしれないが、金曜の夕方から夜にかけてLINEが利用できなくて、連絡ができなくて、待ち合わせやコミュニケーションで困った人も多かった。

 世界規模で見るとFacebookメッセンジャーの急速な普及によって、かつてLINEがよく利用されていた台湾、タイ、インドネシアでも多くの人がFacebookメッセンジャーを利用しており、LINEの利用者は海外では減少している。日本でも多くの人がLINEだけでなくFacebookメッセンジャーも利用する人が増加してきた。それでも日本ではまだLINEが一番多く使われているコミュニケーションツールだ。

■LINEだけに依拠しない代替コミュニケーションツールの確保

 2016年3月にLINEが突然利用できなくなって困った人も多かった。LINEの連絡先しか知らなく、電話番号やメールアドレス、SNSなど他の連絡手段を知らないので、LINEが利用できなくなってしまうと、どうやって連絡をしたらいいのかわからずに困った人も多かった。

 家族や本当に親しい友人、限られた仕事の同僚とは電話番号の交換をしているが、それ以外の人は連絡先はLINEしか知らないという人も多い。LINEが利用できなくても、電話番号やメールアドレス、FacebookやTwitterなど他にコミュニケーションできる手段を確保しておいた方がよいと思った人も多かっただろう。だが、その後にLINEが復活して、正常に利用できるようになると、多くの人は再びLINEだけにコミュニケーション手段を依拠している。

 世界中で1.7億人以上が利用しているとはいえ、LINEは民間企業が提供する無料のアプリで、ほとんどの人が無料で利用している。障害による一時停止だけでなく、いつサービスそのものがなくなるかもわからない。LINEはメッセージアプリとして日本では最大だが、世界規模で見たらWhatsAppやFacebookメッセンジャーは10億人以上の利用者がいる。メッセージアプリは競争が激しく新たに登場しては、すぐにサービスを停止してしまうメッセージアプリは日本や海外でも非常に多い。

■LINEが使えなくなっても連絡できるように

以下ソース先で

3/10(日) 14:30
https://news.yahoo.co.jp/byline/satohitoshi/20190310-00117701/