■「政府の要請あれば連携見直す」

東洋経済はファーウェイをめぐる深層リポート『ファーウェイの真実 Inside the Black Box』の取材の中で、国内の大学・研究機関に対するファーウェイの資金提供状況を独自に調査した。対象としたのは世界水準の優れた研究を行っているとして、文部科学省から研究大学強化促進事業の補助金を受けている22大学・機関。19大学・機関が期日までに回答した。

 この取材に対し東京大学は、ファーウェイから研究費や寄付などの名目で資金提供を受けたことがあると回答。対象となる研究内容や提供された金額は明らかにしなかった。さらに英米の大学と同様に、ファーウェイからの支援受け入れを今後見直すかについては、「政府からファーウェイに関連する施策・情報の提供や要請があった場合などは、連携について見直す可能性がある」(大学本部広報)と答えた。

 具体的にどういった施策や要請を想定しているかについては、「一般論として、日本の安全保障貿易管理制度における具体的な規制などの要請などがあれば対応する」としている。またアメリカのファーウェイに対する措置についても、「再輸出規制(注・後段に詳細)については調査しており、必要に応じて配慮している」と回答している。

 東京大学は2018年、学内の工学系研究科、新領域創成科学研究科、生産技術研究所の各研究室とファーウェイとの間で共同研究を行うことを検討していた。これらの共同研究が実際に行われたかどうかは、東洋経済では確認できていない。

 また7大学(北海道大学、東北大学、東京工業大学、京都大学、大阪大学、慶應義塾大学、早稲田大学)は、個別企業に関する情報開示は控えると回答。「提供元の利益を損なうおそれがある」(京都大学)、「委託者や寄付者の保護の観点」(早稲田大学)などを理由に挙げている。

 ただこのうち東京工業大学や慶應義塾大学など複数の大学については、過去の公開資料の中で、ファーウェイとの共同研究や研究に必要な物品の提供などの支援があったことが判明している。

 以下の11大学・機関は、ファーウェイから資金を提供されたことはないと回答した。筑波大学、東京医科歯科大学、名古屋大学、豊橋技術科学大学、神戸大学、広島大学、九州大学、熊本大学、奈良先端科学技術大学院大学、自然科学研究機構、高エネルギー加速器研究機構。

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