https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-11/PO6TB36K50XS01?srnd=cojp-v2

エチオピア航空機墜落、時価総額550億ドル増加のボーイング株に試練
Divya Balji、Matthew Burgess
2019年3月11日 15:11 JST
→ボーイングが指数構成ウエート最大のダウ工業株30種平均に打撃か
→ボーイング株5%下落ならダウ平均100ドル強押し下げも−サクソ

エチオピア航空が運航していたボーイング737MAX8の墜落事故のニュースを受け、株式市場に弱気論が浮上している。

  エチオピア航空302便がアディスアベバからケニアのナイロビに向かって離陸した数分後に墜落した事故を受け、ボーイングが指数構成ウエート最大のダウ工業株30種平均の先物はアジア時間11日に一時0.6%下落した。今回の事故では乗客乗員157人全員が死亡した。ボーイング737MAXの墜落事故はここ5カ月で2回目。さらに悪いことに、中国当局は現地時間午後6時(日本時間同7時)まで同型機の運航を一時的に停止するよう国内航空会社に要請した。エチオピア航空も今後通知するまで同型機の運航を停止すると発表した。


  サクソ・キャピタル・マーケッツの市場ストラテジスト、エレノア・クレイ氏(シドニー在勤)は同型機への懸念増大でボーイングの株価が米国市場で下落する可能性があると指摘。5%の値下がりでもダウ平均を100ドル強押し下げると試算した。昨年10月にインドネシアの格安航空会社ライオンエア運航の同型機がジャワ海に墜落して乗客乗員189人が死亡した事故が起きた際には、ボーイング株は7%近く下落した。

  クレイ氏は電話インタビューで「 ボーイングの株価下落がダウ平均に打撃を与えるだろう」と述べ、昨年12月の安値からの相場回復で3分の1程度は同社株の貢献によるものだったと付け加えた。

  ボーイング株は年初来で31%上昇し、ダウ平均構成銘柄で最大の値上がりを記録。時価総額は550億ドル(約6兆1000億円)余り増加していた。米中貿易協議を巡る投資家センチメントの改善も一因だが、同社は2018年通期売上高が同社史上初めて1000億ドルを突破し、記録的なキャッシュフローを報告したことも好感されていた。