https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190311/k10011843831000.html?utm_int=news-business_contents_tokushu-business_001
アニメやCGで作ったキャラクターを動かしてユーチューバーのように動画を配信する「Vチューバー」、最近よく見ますよね。去年あたりから流行しはじめ、民間の調査では、すでに7000以上が登場。ファンの数の指標になる「チャンネル登録数」が240万を超えるものもあります。こうした中、Vチューバ−をビジネスに活用しようという取り組みが広がっています。
■相次ぐ企業公式Vチューバ−
まず、増えているのが企業の公式Vチューバ−です。製薬会社や出版社などが相次いで配信していますが、大手飲料メーカー「サントリー」が去年8月から配信を始めたのは、水の国からやってきたという女性のキャラクター。会社の創業と同じ1899年生まれの120歳ということですが、年齢を感じさせないかわいらしさです。
歌を歌ったり、ゲームを実況したり、商品の宣伝だけでない内容で人気を集めていて、誕生から半年で「チャンネル登録数」は7万を超えました。企業の公式ユーチューブとしては異例のスピードだということです。

■なぜ企業がVチューバ−
企業がVチューバ−を起用するメリットはどこにあるのでしょうか。例えば人気タレントが出演する動画の広告を作ろうとすれば、タレントの出演料やスタジオでの制作費など莫大な費用がかかかります。その点、専用のVチューバ−ならメイクや衣装にお金を使う必要もありません。タレントのスケジュールに関わらず、企業がPRしたいときに好きなタイミングで制作できます。
また、日本のアニメ文化は今や世界的に広がっているので、魅力的なキャラクターを作って配信できれば、海外にも一気にファンを増やすことができるのです。

■コンサルビジネスも出現
グリーの田中良和社長は、そのねらいと未来の姿について、こんな風に話してくれました。
「SNSが発達することで写真や文字で世の中に発信することが簡単になり、今、さらにユーチューバーとして、動画で簡単に発信できるようになった。ただ、ユーチューバーになりたいけど、自分の顔を出したくないという人はいっぱいいると思う。その点、Vチューバ−は匿名でできるので、今後本当に多くの人が使うサービスになるだろう。Instagramのアカウントをいくつも持っている人がいるように、発信用のバーチャルキャラクターをいくつも使い分けることが当たり前の世の中になるのではないか」

■ビジネスコンテストにもVチューバー
通信大手のKDDIが主催したこのイベントは、ベンチャー企業が自社の事業をプレゼンし、賞金を競い合う「ビジネスコンテスト」をバーチャル空間でやろうという試みです。

司会には人気のVチューバ−を起用。発表者たちは、専用の機材を使って、自分自身に似せたキャラクターを動かします。バーチャル空間の会場にはモニターやステージも用意され、キャラクターに扮した観客や審査員の前でプレゼンテーションを行いました。
観客はおよそ3000人。インターネット上で「拍手」や「驚き」などのアクションを起こしたり、コメントすることもでき、とても盛り上がっていました。
「こういうバーチャルな空間を活用すれば、日本の地方はもちろん、海外の企業のプレゼンを見ることができ、投資先を見つけることもできる。また、キャラクターになることで、話す方は羞恥心が取り除かれて自由に表現できるようになるし、審査する方も人物評価ではなく純粋にアイデアを評価しやすくなるのではないか」

未来はどうなる!?
バーチャル空間でのビジネスコンテスト、最初はイメージがわきませんでしたが、実際に見てみると、リアルな世界で行われているものに比べて、企業の事業内容を楽しく知ることができて、引き込まれるような感じがしました。
また、Vチューバ−などインターネットで展開するキャラクターは、距離も世代も一気に超えることができます。誰もがキャラクターになりきって自分のアイデアを表現して配信する、そんな将来が来れば、遠く離れた人々を結ぶビジネスやコミュニケーションがもっと盛んになるかもしれません。
現実
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理想
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