店舗オーナーに対して同情的な声も上がっているが、やはりFC契約で「24時間営業」が取り決められている以上、営業短縮が認められることは難しいのであろうか。
弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士の山岸純氏は、次のように解説する。

●「違約金1700万円」請求は適法

まず、契約上は「24時間営業」が義務付けられており、応じない場合に「違約金1700万円」の支払い義務や契約解除が課せられる旨の文言自体は、違法でもなんでもありません。
コンビニというものが「24時間営業」を謳った職種であり、そこに存在意義があるのであれば、そもそもこれを受け入れた上でコンビニのFCに参加しているわけですから、違約金の話も契約解除の話も当然“通る”話です。

契約上、定められた義務、例えば「24時間営業」義務に違反した場合に「違約金1700万円」を請求されることは、民法及び契約上、当たり前のことです。

ちろんFC店においては、人手不足や夜間の費用対効果など、「24時間営業」が困難なさまざまな理由があることでしょう。
しかし、FC制度というものが、それを職業・ビジネスとして選択した事業主と、コンビニ経営のノウハウを提供する本部との間の対等なビジネス上の取引制度の上に成り立っているものである以上、
必ず他方の“かわいそうな事情”を汲み取らなければならないというものではありません。

また、前述のようにコンビニにおいては「24時間営業」にこそ存在意義があるのであれば、これを維持することがブランド価値を維持することも意味するわけですから、
「(24時間営業が)できないなら、営業するな」というロジックも、ある意味、まっとうな意見と思料します。

結局のところ、今回の件はFC店側が本部とろくに話し合いもせずに、19時間営業としてしまったことにも問題があるのではないでしょうか。
コンビニは、その店舗だけの都合ではなく、商品(特に生鮮食品)の製造のタイミングや、配送のタイミングなど、さまざまなバランスで成り立っています。
ある地域の配送計画が綿密に立てられているのに、午前1時?6時の間、一店舗だけ閉じていたら、この配送計画も狂ってしまうことでしょう。

このような背景事情を考えずに、「24時間営業を止めた途端に解除を通告された」点だけをとらえ、「本部は血も涙もない」などと騒ぎ立てるのがそもそもの間違いです。

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