◆ 成年向けコンテンツを全面禁止したTumblrへのユーザー訪問数が1億5000万減ったことが判明

児童ポルノコンテンツによるApp Storeでの取り扱い停止をきっかけに、
利用規約を変更して成年向けコンテンツを全面的に禁止したミニブログサービスのTumblrへのユーザーの訪問数が、
わずか2カ月で1億5000万減、全体の30%減であったと報じられています。

2018年11月、TumblrのiOS向けアプリが突然App Storeからダウンロードできなくなりました。
調査の結果、その原因が「Tumblr上で児童ポルノコンテンツが取り扱われていたため」ということが明らかになりました。

そこで、Tumblrはこれまでほぼ無制限だった成年向けコンテンツの投稿を完全に禁止する条項を規約に追加しました。
さらに問題となっていた児童ポルノコンテンツを削除した結果、2018年12月にTumblrはApp Storeに復帰。
一方で、Tumblrが新しいガイドラインの中で示した「成年向けコンテンツの定義」が曖昧すぎるとユーザーからは苦情が殺到しました。

さらに、Tumblrは独自のアルゴリズムによってこれまでの投稿に自動で警告を送る試みを行いましたが、その判定があまりに雑ということも話題となりました。
Tumblrはユーザーからの批判を受けて「違法なものでない限り、投稿されたコンテンツが削除されることはありません」「アルゴリズムはケースを重ねれば精度が向上します」「これまで通りにTumblrを形成し続けてください」と、成年向けコンテンツ禁止の決定への理解をユーザーに求める内容を公式ブログに投稿しました。

ネット分析会社のSimilarWebによると、2018年12月でのTumblrの月間ページビューは約5億2100万だったのに対して、2019年1月で約4億3700万、2019年2月で約3億7000万と、2カ月で30%近くもアクセス数が激減しているとのこと。
実際にSimilarWebが公開しているグラフを見ると、それまでなだらかだったアクセス数の推移が、2018年12月から急に落ちていることがよくわかります。

海外メディアのTNWによると、Tumblrには成年向けコンテンツを共有するユーザーコミュニティが多く形成されていたほか、社会的マイノリティに属するユーザーの貴重な受け皿としても機能していたとのこと。
急激にTumblrのアクセス数が落ち込んだのは、成年向けコンテンツを愛するユーザーがTumblrから軒並み排除されたこととあわせて、成年向けコンテンツのあいまいな定義に「性差別的だ」と反発した人もTumblrを離れていったからだと、TNWは分析しています。

TNWは「児童ポルノコンテンツをプラットフォームから根絶するための対策を講じる必要があることは明らかでした」とTumblrの対応に理解を示しながらも、「Tumblrは、単に不快なコンテンツを取り除くのではなく、これまでに投稿されたコンテンツを全てを破壊してやり直すことを選びました」「Tumblrによる成年向けコンテンツを定義するガイドラインの内容は本質的に性差別的でした」と批判しました。

GIGAZINE 2019年03月14日 15時00分
https://gigazine.net/news/20190314-tumblr-traffic-dropped-150million/