事件後、胸の痛みがあったが「どうして手術した病院に行かないのか」
という質問をされて困り、事件の患者だとばれて、まともに診察して
もらえないと思うと恐ろしくて病院に行けなかった。傷の痛みと悪性腫瘍かも
しれないという恐怖心と闘いながら、男性外科医を絶対に許すべきではない
という強い気持ちで、事件からの2年半を悔しい思いできた。怒りや無力感で
頭がおかしくなりそうなのを必死に耐えて、なんとか今日まで過ごしてきた。

 事件から裁判までずいぶん時間がかかった。男性外科医は現在も働いている。
性犯罪者にたくさんの患者が無防備に胸を晒していることになる。
そんな恐ろしいことがあって良いはずがない。たくさんの女性が
触診されているかと思うと、いても立ってもいられない。
患者は無事なのか、被害に遭っていないか心配。6年前の手術でも被害に
遭っていないか、それ以上のことをされていないか、他にも被害者がいるのでは
ないかと考えてしまうほど、男性外科医の犯行は手慣れていた。

 新たな被害者を増やしていくのだけはやめてほしい。
性被害を軽んじないでほしい。私の胸の写真を裁判という名目で
いったい何人が見たか。もういい加減にしてほしい。
守る会の影響で個人情報をばらされ、仕事の職種でここまで言われるのかと
追い詰められた。なんて汚いことをする人達なのだろうと思い、
記者会見を開こうかとも思った。でも、私は何も悪くないので我慢した。
判決が出るまで正々堂々としていようと頑張った。事件のことは一度も
口にしていない。それは後ろめたいことがないから。小細工は必要ない。
有罪判決が出たら多くの性犯罪被害者のために活動していきたい。
この事件が性犯罪被害者や加害者弁護のあり方、まともな病院関係者に
とっていい前例になることを願っている。

 男性外科医は初公判で「子どもがいるが働けない」と泣いていたが
自業自得である。事件の時、DNAが出たあとでも謝ってくれていたら、
私は被害届を取り下げるつもりだった。5年間、医師として信頼していたし、
出来心に違いないと思いたかった。でも、あなたは家族より自分の性欲を取った。
今の現状があるのは、私のせいではなく、自分のつまらない保身のせいである。
悪いのは私じゃありません、一生後悔してください、事件を隠蔽できると思った
自分に。術後すぐにわいせつな行為をしたのは、せん妄が理由にできるためだと
確信している。

 有罪判決が出ても、「冤罪」、「かわいそうな医師」と主張するのだろうが、
男性外科医はかわいそうな医師だと思う。周りが、更生するように
「すぐに謝るように」と言わなかったか。誰もアドバイスをしなかった
のだろうか。この事件は冤罪なんかじゃない。(男性医師の名字)さん、
あなたは性犯罪者です。医師免許剥奪は当然のこと、今まであなたが楽しんだ分の
長い長い実刑を望みます。