検察側は冒頭陳述で事案発生時の状況を、
以下のように説明した。男性外科医は手術の前に
患部のある右乳房のみでなく、左右の乳房や女性の顔が
含まれる写真を15枚撮影。手術終了後に看護師が鎮痛剤を
投与し退出したのち、女性と2人きりになると女性の左乳首を
舐めるなどした。女性は酸素マスクをしており声を出すことが
できず、ナースコールを押した。看護師が入ってくると
男性外科医は出て行った。女性は母親に言ったが、
母親は医師がそんなことをするはずがないと信じなかった。
その後、男性外科医は再び診察に訪れ、母親に対して
「傷口を見るから出て行ってほしい」と告げ、2人きりになると
再び左乳首を舐めるなどする一方、右手を自己のズボン内に入れて自慰行為をした。

 女性はその後、母親に左乳首の匂いをかいでもらったところ、
「唾のような生臭いにおい」がした。女性はLINEで知人に相談。
知人が110番通報し、警察官が訪れ、午後5時37分に付着物を採取した。
唾液を示すアミラーゼ反応や男性医師のDNA型が検出され、
その量は「会話による飛沫などでは考えられないほどの量」だった。
左胸はシートで覆われており、付着することも考えづらいとしている。