[東京 18日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は18日、参院予算委員会で、少子高齢化や労働力人口の減少は「日本経済にとって大きな課題のひとつ」としながらも、イノベーションを促すことによって「やや長い目で見たわが国経済の成長率を引き上げていく可能性がある」との見方を示した。

足元、日本において、労働を代替する設備投資やソフトウエア投資が活発化しているほか、AI(人工知能)などの新しいイノベーションも起きているとし「この数年、G7の中で労働生産性が一番上昇している国は日本」と述べた。

薬師寺みちよ委員(無ク)の質問に答えた。

人口減少や高齢化の金融セクターへの影響について、総裁は、一般論として、経済成長率が低下すると資金需要が伸び悩み、低金利環境が続きやすいとし「金融セクターの収益への影響について注視していく必要がある」と述べた。一方で、人口動態の変化に対応しようとする企業活動の前向きな変化やイノベーションを促すとも指摘。それを支えるための貸し出しやM&Aなど新しい金融サービスへのニーズも生まれてくるとした。

さらには「高齢者の増加によって、家計の資産運用ニーズが高まっていく。かなり大きなビジネスチャンスの拡大にもつながっていく」とし「金融セクターにとっては成長の機会ともなり得る」と述べた。

2019年3月18日 / 18:01 ロイター
https://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-idJPKCN1QZ0SC