乳牛に水の代わりに緑茶を飲ませると乳量が増えることが、静岡県畜産技術研究所(富士宮市)がこのほど実施した比較研究で分かった。乳量増加による所得向上の可能性にも言及している。

 2018年の8月から10月にかけて同研究所で飼育するホルスタイン種3頭に茶の粉末から水出しした緑茶を自由に飲ませ、水だけで飼育した3頭と乳量を比較した。暑さが落ち着いた9月以降は、緑茶グループの飲水量が水グループをほぼ全日で上回り、乳量は1日1頭当たり2〜3キロ多かった。

 同研究所は緑茶を与えることによる乳量増加の経済効果を飼料費や経費なども加味して試算。乳牛40頭規模の酪農場で1日当たり5520円の所得向上につながるとした。

 研究を担当した酪農科の瀬戸隆弘さんは暑さが落ち着いた秋季から飲水量に有意差が生まれることに着目し「牛は水出し緑茶をおいしく感じているのだろう」と指摘した上で、乳量増について「たくさん乳を出す牛は循環血流量が多い。飲水量増が循環血流量増につながったのだろう」と推測した。

静岡新聞社 3/20(水) 7:56
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