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EU、英離脱延期に厳しい条件=正式決定は来週持ち越しへ−21日から首脳会議
2019年03月21日01時51分

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は21、22両日にブリュッセルで開く首脳会議で、29日に迫る英国のEU離脱の延期可否を議論する。EUは問題先送りによる泥沼化を避けるため、「具体的な計画」(バルニエ首席交渉官)を英国に要求。明確な道筋を示せない限り容認しない厳しい姿勢で臨む構えだ。

 メイ英首相は20日、トゥスクEU大統領に離脱延期を要請する書簡を送付。延期期間は6月30日までとした。長期延期もできるよう求める方向だったが、英議会や閣内の強硬離脱派らの反発を受け翻意したもようだ。書簡を受けトゥスク氏は、延期の正式な決定は来週に持ち越す考えを示した。

 これに先立ちバルニエ氏は19日の記者会見で、「長期延期は新たなイベントや新たな政治プロセスと結び付かなければならない」と表明。長期延期なら、英国の総選挙や離脱の是非を問う2度目の国民投票などが条件になることを示唆した。

 EUは延期が長期化する場合、5月下旬の欧州議会選挙への英国の参加が必要だとも主張。こうした条件は英国の強硬離脱派には受け入れ難く、現在の離脱案承認を強く迫るものだ。
 バルニエ氏は、首脳会議では「延期で離脱案批准の可能性が高まるか」などを問うと説明。「今と同じ状況に後戻りしないとどう保証できるか」が課題だとも指摘した。
 英政府は当初、首脳会議前に英下院で3度目の離脱案採決を行い、結果を踏まえEUに延期要請する予定だった。しかし、英下院議長が修正を加えない離脱案の再採決を拒否。英側の事前の意見集約が困難となっていた。