https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190323/k10011857651000.html

米大統領の「ゴラン高原はイスラエル」発言に反発相次ぐ
2019年3月23日 0時19分

イスラエルが占領する中東のゴラン高原について、アメリカのトランプ大統領が、イスラエルの主権を認める考えを明らかにしたことに対して、シリアなど各国からは反発や撤回を求める声が相次いでいます。

トランプ大統領は、21日、もともとシリアの領土で、現在はイスラエルが占領しているゴラン高原について、ツイッターに「アメリカがゴラン高原でのイスラエルの主権を完全に認める時だ」と投稿しました。

これに対して、シリアの国営通信は22日「偏向した、分別を欠く姿勢で、最も強いことばで非難する。シリアはあらゆる手段を通じてこの尊い領土を解放する」とする外務省の声明を伝えました。

また、シリアを支援するイランの地元メディアは「トランプ大統領の個人的かつ性急な決断は、中東に終わりのない危機をもたらしかねない」とする外務省報道官の談話を伝えました。

さらに、アラブ諸国やパレスチナが加盟するアラブ連盟は22日、「1981年の国連安保理の決議でも、イスラエルによるゴラン高原の併合は認めないことを全会一致で確認している。誤った判断を見直し、撤回するよう求める」とするアブルゲイト事務局長のコメントを発表しました。

今回のトランプ大統領の投稿は争いのある地域について、双方が合意しないにもかかわらず一方の主張だけを認めたもので、今後、ゴラン高原の周辺で緊張が高まるのではないかという懸念が出ています。