「令徳」は「徳川幕府に命令する」という意味で付けようとした
「令和」は「日本に命令する」になるが
徳川幕府に命令する立場は薩長だったが
日本に命令するのは誰ですかねえ


それは「令徳」である。
この元号の衝撃度は、かなり大きい。
「レ点」を付けて読めば、「徳川に命令する」となり、
これからは朝廷が幕府よりも上位の世の中となる、
ということを露骨に世間に宣言している。

1864年、甲子革令に基づく改元を行うとき、
朝廷では「令徳」と「元治」が候補に挙がり、「令徳」が第1候補だとして、関白から幕府に内談があった。

老中らは、「徳川に命令する」意味に解されるとして難色を示したが、
老中からの申し立てはできかねる、と松平慶永に関白らへのあっせんを求め、
第2候補の「元治」に決定したのだ。
江戸幕府が相当苦慮していたことがうかがえよう。
江戸幕府にしてみれば、「元治」もメッセージ性を含んではいるが、
「令徳」だけは避けたかったのである。