“夫も含めて支援されるべき”“夫も含めて支援されるべき”
法廷では関係者が証言に立ちました。
夫もその1人です。

夫は、出産前に子育てをどう考えていたかについて「1人の子どもの育児と、2人、3人の育児も変わらないと思っていた」と話しました。
また、半年間の育休後に職場復帰したことについては「妻は家事も子どもたちの面倒も完璧でした。育児を手伝おうとすると『やらなくていい』と言われ、自分はどうしたらいいんだと思いました。
1人での育児を妻は『大丈夫』と言うので、経済的な理由もあり、復帰しました。家族を守れなかったことを私も反省しています」と話しました。

弁護側の証人として、多胎家庭の育児に詳しい岐阜県立看護大学の服部律子教授も意見を述べました。

「母親1人で3つ子は育てられない。妊娠期から切れ目のない支援が必要です。支援計画もなく、周囲の無理解が事件の原因の1つと言える」

そして、服部教授はこう続けました。

「夫も含めて支援されるべきだった」
判決 “3つ子の育児 同情できるが…”判決 “3つ子の育児 同情できるが…”
判決の日。名古屋地方裁判所岡崎支部は「無抵抗の乳児をたたきつけた犯行は危険で悪質と言うほかない。うつ病になるなか、負担が大きい3つ子の育児を懸命に行ったことに同情はできるが、執行猶予をつけるほど軽い事案とは評価できない」と指摘しました。

また、夫や市の対応にも触れましたが「減刑すべき事情は認められない」と述べ、懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。