2019年4月5日 17時12分
ZAKZAK(夕刊フジ)

 “ポイント戦国時代”だ。コンビニやスーパー、ドラッグストアなどで利用できる共通ポイントの代表格といえば「Tポイント」だが、ここにきて提携解消やライバルへの乗り換え、主要メンバーの独自路線などが目立つ。当初は流通系が先行していたが、IT・通信系がキャッシュレス決済を武器に追い上げており、群雄割拠の様相だ。



 10年以上、Tポイントと連携してきたスポーツ用品販売大手のアルペンは、4月から「楽天ポイントカード」を利用可能にすると発表した。喫茶店大手のドトールコーヒーも4月にTポイントとの提携を解消する。

 TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが中心に展開するTポイントは、ローソン系の「Ponta(ポンタ)」やイオン系の「WAON(ワオン)」、セブン&アイ系の「nanaco(ナナコ)」などと並んで2000年代から業界をリードしてきた。

 運営するTポイント・ジャパンによれば、現状も会員数、加盟店数ともに過去最多だというが、衝撃的なのが、Tポイント・ジャパンにも出資するファミリーマートが、独自のモバイル決済サービス「ファミペイ」を7月からスタートさせると発表したことだ。

 アプリでのポイント利用について同社は、「各社にオープン化していこうと考えている」と回答、Tポイントとの連携解消については「そのような可能性は今のところない」と否定した。

 “横並び宣言”をされてしまったTポイント・ジャパンの広報担当者は「(ファミマが)他のポイントを利用される予定であることは把握している。Tポイント1つを利用してもらいたいが、強制力を働かせたいわけではない」と述べた。

 「今は第2次共通ポイント戦争だ」と語るのは、『キャッシュレスで得する! お金の新常識』(青春新書インテリジェンス)の著者でジャーナリストの岩田昭男氏。勢いがあるのがIT・通信系だ。楽天は「楽天ペイ」を持ち、携帯電話事業にも参入する。NTTドコモも「dポイント」や「d払い」を推進している。

 岩田氏は、「加盟店はより多くの情報から顧客分析をしたいという思惑があり、実店舗だけでなく、ネットも含む顧客情報や購入履歴などのビッグデータを持っているIT・通信系企業の共通ポイントが魅力なのだろう」と説明する。

 TポイントはQRコード決済の「PayPay(ペイペイ)」と提携した。そのペイペイに共同出資しているのがIT・通信系のソフトバンクとヤフーだ。

 ポイントの勢力争いのカギを握るキャッシュレス決済も乱立が目立つ。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「キャッシュレス時代になり、自社でシステムを構築する企業が増えている。経費を削減でき、独自のデータも集積できるが、乱立は、消費者にとって利用しづらい状況だ」と話す。

 「LINE Pay(ラインペイ)」とメルカリの「メルペイ」が連携を発表するなど再編の動きも出てきた。

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http://news.livedoor.com/lite/article_detail/16272021/