生野高校(兵庫県朝来市生野町真弓)2年廣瀬凌也さん(16)=播磨町出身=が、但陽信用金庫(本店・加古川市)の生野寮(朝来市生野町口銀谷)に下宿して通学している。年の離れた20、30代の“先輩”たちから弟のようにかわいがってもらい、充実した高校生活を送っている。(長谷部崇)
 同校は昨年度、県全域から生徒を募集する「観光・グローバル類型」を設置。将来、鉄道や観光関係の仕事に就きたいと考えていた廣瀬さんは、学校周辺の静かな環境を気に入り、同類型を進学先に選んだ。

 1期生約30人のうち、下宿希望者は廣瀬さんのみ。受け入れ側の市や学校などが下宿先を探したところ、同信金が学校近くにある生野寮の空き部屋を使うことを快諾したという。

 寮で一緒に暮らす職員は、同市や神崎郡の支店に勤める男性約15人。朝食や夕食は寮の食堂で一緒に食べ、共同浴場も使わせてもらっている。

 廣瀬さんは「初めは知らない人ばかりで緊張したけど、アットホームな雰囲気で、今では普通に話せるようになった。年の離れたお兄さんたちのような存在」と話す。廣瀬さんの成績やマラソン大会の順位は職員たちの大きな関心事で、テスト勉強も応援してくれるという。

 福崎支店の中嶋洋介さん(23)は「たまに寝坊もするけど、楽しく話せる子。フレッシュな子が入ってきてくれて、こちらも爽やかな気持ちになれる」と歓迎する。同支店の高橋正悟さん(24)は「年上の人に囲まれて生活するというのは貴重な経験になるのでは」と話している。

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