「先輩、センパイ!朝っスよ、早く起きて下さい!」

今日でもう4日目。クリクリとした五分刈りのこいつの頭も、ようやく見慣れてきた

「全く、本当にお前は朝が早いな...。学校ン時は一体、朝何時に起きてるんだ?」
「朝練があるんで、5時半っス!」

どうしてこうなっているのか定かではないが、何故だか陽太の奴が決まって朝6時に
俺の部屋の戸を叩いて起こしにくる様になった。

生活のスタイルは乱れるし、録なもんじゃない。

「そうブー垂れないで下さいよ、先輩!早起きは何とかの得って言うじゃないですか。」
「三文、だ。たかだか60円くらいじゃないか。寝てた方がマシだな。」
「まぁまぁ。そのお陰で、こうやって毎朝一緒に飯食べれるじゃないっスか!!」

いかん、俺は何を考えているんだ。男所帯が長いせいか
陽太の寝間着替りのダボついた毛糸のジャージの隙間から見える
コーヒーゼリーの様な浅黒い日焼けした胸元を見て、おかしな気持ちになってしまっている
自分に気づいた。

「(今晩は久しぶりに、泡でも行くか...。)」


こん事があったせいか、その日はどこか気持ちの起き所が無く
営業中はあまり陽太と話せなかった。


続く