校則が消えた理由
「例えば、靴下は白でないとダメだっていう校則があった。セーターも紺でないとダメとかね。別にだらしなく着ているわけでもないのに、『校則だからダメ』って先生が頭から押さえ込むわけです」
それが西郷さんには疑問だったので、生活指導主任の教員に「なぜダメなのか」と問うと、答えられない。校則で決まっているけど、なぜ決まっているのか、実は誰も理由を答えられないのだ。
「それはおかしいと云うと、『それでは紺もいいことにしましょう』となった。それも、訳わからないでしょう。
白でなきゃいけない理由も分からないし、紺もいいことにする理由も分からない。それなら、その校則そのものを止めましょう、と」
そこから始まって、同じように「なぜ決めなければいけないのか」を一つひとつ論議していったのだ、そうしたら校則がなくなってしまったのだ。
校則を廃止するのが前提だったわけではなくて、ほんとうに必要な決まり事なのかを考えていった結果、「いらない」となったのである。
「ダメだと云われることを前提にしていると、子どもたちは何も云わなくなる。新しいアイデアもだそうとしない。それでは、得るものが何もない。
やって失敗したら『次はこう工夫してみよう』となるじゃないですか。それでこそ得るものがある」
と、西郷さん。子どもたちにとって大事なことはチャレンジすることであり、そのためには教員が「ダメ」と抑えつけるようなことはするべきではないのだ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/maeyatsuyoshi/20190409-00121532/