毎日新聞 2019年4月12日 09時48分(最終更新 4月12日 10時06分)
https://mainichi.jp/articles/20190412/k00/00m/040/039000c

◇カウンター越しに応対する教員(手前左)と生徒。奥が教員エリア=島根県津和野町後田で2019年4月3日、竹内之浩撮影
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生徒エリアや面談ブースを設置「関わりやすい空間に」

 島根県立津和野高校(津和野町後田)が教員の働き方改革として進めていた、職員室のレイアウトや家具の刷新が終わった。
家具を白と水色で統一し、明るく広々とした空間に生まれ変わった。
生徒用スペースや面談ブースも新設し、熊谷修山校長(57)は「あまりの変化にあっけにとられた。
生徒と関わる時間や質の向上につなげたい」と話す。

◇雑然とした以前の職員室=島根県津和野町後田で、竹内之浩撮影
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 スイスの家具メーカー「ヴィトラ」に昨秋協力を依頼。教員の要望を受け、作業効率が上がり、
周囲とコミュニケーションを取りやすい上、生徒とも関わりやすい空間を目指した。名称も「センセイオフィス」に変えた。

 新職員室は、入り口付近に配置したカウンターやテーブルを境に奥を教員エリア、手前を生徒エリアに分けた。
教員エリアでは以前と同じ18席を確保しながら必要性の低い書類を廃棄したり、書庫に移したりして書棚などが減り、執務スペースが大幅に狭くなった。

 その分、生徒との面談や教員が集中して作業するためのパネル囲みのブース、教員同士が打ち合わせに使うテーブルを置くことができた。
机は以前より幅が40センチ広く、使いやすくなった。

 全体の2割を占める生徒エリアにはカウンターやベンチ、ホワイトボードがあり、生徒向けポスターなどを掲示し、教員が生徒の学習指導や相談にも応じる。

 ヴィトラ日本法人の片居木亮社長(38)は「今後は自分が働きやすい環境に移動し、いい仕事をしてほしい」と呼び掛ける。
新職員室は今月から使い始め、2年生の上田里歩さんは
「以前は先生の席で立ったまま相談していた。ベンチやブースがあって来やすい空間になった」と喜ぶ。

 黒崎孝治教諭(50)は「同僚や生徒とのコミュニケーションを増やしたい。動きながら働くことで気持ちを切り替えられる」と期待した。