なぜ日本人の労働生産性はアメリカ人の3分の2しかないのか。その理由は、
日本の社会の仕組みや会社の働き方が間違っているからだ。ようやく安倍政
権は、「働き方改革」「生産性革命」を掲げるようになった。

平成の「失われた30年」のあいだ、「知識人」もメディアもこの単純な事実
(ファクト)をひたすら無視してきた。それは彼らが「日本人/男性/一流
大学卒/正社員/中高年」という属性をもつ日本社会の主流派(マジョリテ
ィ)=「おっさん」で、社会の仕組みを変えると自分たちの既得権が脅かさ
れることに気づいていたからだ。

その結果、「外国人/女性/高卒・中卒/非正規/若者」という少数派(マ
イノリティ)が犠牲にされることになった。平成のあいだに広がった「格差」
は、この単純な図式でほぼ説明できる